IHクッキングヒーターが故障してしまったらやる事
故障内容を確認する
IHクッキングヒーターが故障してしまったら、まずは故障内容を確認しましょう。本当に修理が必要な故障なのか、それとも自力で解決が可能なエラーなのかを把握することが大切です。
以下は一見すると故障のように思いがちですが、正しく対処することで正常な状態へ戻すことが可能です。
自分で直せる、故障と間違いやすい事例
- 電源を切っても音がする……本体内部の冷却のためにファンが回っているだけで、異常ではありません。
- ラジエントヒーターが使用中に赤くなったり、消えたりする……火力コントロール、温度調整が行われているサインですので、故障ではありません。
- 使用中に鍋から音がする……ホーローの密着が悪い鉄ホーローなどの鍋や、鍋底が薄い鍋などを使用した場合にこうした音が鳴る場合がありますが、故障ではありません。
以下の故障の場合は、IHクッキングヒーターの外部的な破損や、基盤などの内部的な故障が原因の可能性があります
自分では直せない、修理が必要な故障事例
- 煮こぼれ等のあと、電源がつかなくなった
- 暖まらない、または暖まりにくい
- 鍋などを落としてトッププレートが割れたり破損した
- 温度調整ができない
- ラジエントヒーターが作動しない
- 操作ダイヤルが効かなくなってしまう
- ロースターが動かなくなってしまった
これらの故障の場合はメーカーへ連絡して修理してもらうか、新しいIHクッキングヒーターへの買い替えが必要になります。
保証期間内でしたら無料で修理・交換が可能ですので次の項目を参考にIHクッキングヒーターの保証期間・内容を確認してください。
メーカー保証または購入店舗での延長保証期間を確認する
故障内容を把握したら、次にIHクッキングヒーターの保証内容を確認しましょう。基本はIHクッキングヒーター付属のメーカー保証が必ず付いていますが、購入時に延長保証に加入していたり、販売店によっては無料で延長保証がついている場合があります。
メーカー保証(必ずあります)
IHクッキングヒーターには、メーカーの保証が必ずあります。保証期間は購入から1年がほとんどです。保証期間や保証内容については取扱説明書の最後のページ近くに記載があります。
有料延長保証(購入時に追加費用で保証)
IHクッキングヒーター購入時にIHクッキングヒーターのメーカー、または購入したお店に追加料金を払うことで、メーカー保証とは別に有料延長保証に加入している場合があります。保証期間は購入から3年~10年です。支払った金額により保証期間は異なるため、購入時の書類や購入店舗に確認しましょう。
無料延長保証(販売店独自の保証)
販売店によってはメーカー保証とは別に販売店が無償で製品をしばらくの期間、保証してくれる場合があります。保証期間は購入から2年~5年で、購入店舗により異なります。販売店のサービスとして購入時に何も気が付かずに加入している場合もあるため購入時の書類や購入店舗に確認しましょう。
故障時の連絡先は加入した保証で変わります
1年以内の故障で、保証対象であれば無償で修理・交換してもらえますが、殆どの場合が1年以上経過した後の故障になると思います。購入から経過した年数と、加入した保証により連絡先が異なりますので下記を確認してみましょう。
IH設置後、1年以内の故障の場合
保証対象であればメーカーに連絡することで修理・交換の対応をしてもらえます。
IH設置後、2~10年以内の故障の場合
メーカー独自の延長保証、または販売店舗による無料・有料延長保証に加入している場合、メーカー延長保証の場合はメーカーへ、販売店による延長保証のばあいはIHクッキングヒーターを購入した販売店に連絡しましょう。保証対象内であれば修理・交換の手配をしてもらえます。また、「延長保証は加入したけど、どれか分からない」という方はまずは購入したお店に問合せをすれば案内してもらえるはずです。
購入時延長保証に加入していない場合はメーカー保証期間が過ぎているため、故障内容に応じて修理費用が発生します。自力で解決できない故障の場合、メーカーへの連絡が必要になります。購入したメーカーを確認して、各メーカーの修理センターへ連絡しましょう。メーカーごとに受付時間が違うので注意が必要です。
IH設置後、10年以上の故障の場合
残念ながら延長保証に加入していたとしても保証期間が過ぎていますので、無償での修理・交換は出来ません。修理したい場合はメーカーに連絡することで案内はして頂けると思いますが、故障内容によっては10年前の修理部品は置いていない場合があり、寿命も近いため買い替えがオススメです。
10年以上使用しているIHヒーターは「買い替え」がオススメの理由
故障原因別にみるIHクッキングヒーターの修理費用と対処法
IHクッキングヒーターが故障してしまうと、気になるのが修理費用です。保証に入っていれば問題ないのですが、保証対象外の場合、いったいいくらかかってしまうのでしょうか?多くのサイトでは、大雑把に4万円前後と書かれていますが、ここではIHクッキングヒーターで起こりやすい故障原因ごとに必要な修理費用と対処法を見ていきましょう。
煮こぼれ・吹きこぼれでIHクッキングヒーターが故障した場合
修理費用:1~4万円前後
故障原因:IHクッキングヒーターを長期間使用したことにより、天板シールが劣化していていると、煮こぼれのさいに浸水してしまう場合があります。
対処方法:濡れた部分を拭き取り、ドライヤーなどで乾かしてください。それでも動かないようであれば、メーカーへお問い合せください。
天板(トッププレート)に亀裂ができ破損してしまった場合
修理費用:1~3万円前後
故障原因:鍋など重いものをトッププレートに落とすと割れてしまう場合があります。
対処方法:自分で修復することは不可能なので、メーカーへ連絡して修理してもらいましょう。なお、トッププレートが破損したまま使い続けると、割れた部分から浸水てショートする危険性や、ちょっとした煮こぼれのさいに基盤が破損しやすくなって、トッププレートの交換費用だけでは済まなくなってしまう場合もありますので、早めの修理をおすすめします。
IHクッキングヒーターの寿命・耐用年数と故障の関係
IHクッキングヒーターの寿命は、おおむね10~15年程度です。これはIHクッキングヒーターの長期保証が10年までしかないことと無関係ではないでしょう。IHクッキングヒーターは10年を境に、故障の確率はグッと上がります。もちろん、こまめにメンテナンスをすれば15年以上使い続けることは可能ですが、故障もしやすくなりますし、保証も切れているので故障のたびに修理費用を払い続けることになってしまいます。
IHクッキングヒーターのメーカー別エラーコードと対処法
ここではメーカーごとに発生しやすいIHクッキングヒーターのエラーコードとその対処方法について記載します。
パナソニック製IHクッキングヒーターのエラーコードと対処法
エラーコード:U15(据置きIH)
エラーの内容:揚げ物そりなべ自動OFFが働きました
エラーの原因と対処法:U15の原因と対処法は、以下の方法をお試しください。
原因1:鍋底に約2mm以上のそりがあったり、変形している。
→反りや変形がある場合は、鍋の買い換えが必要です。
原因2:トッププレートや鍋底にゴミや汚れがこびりついている。
→トッププレートや鍋底をお手入れしてください。
トッププレートお手入れ方法
- 軽い汚れであればしぼったふきんで拭いて落としてください。
- 油汚れは中性洗剤を含ませたふきんで拭くいて落としてください。
- 落ちにくい汚れはアルミ箔や丸めたラップで、クリームタイプのクレンザーをこすると落とすことができます。
エラーコード:U12(卓上IH)
エラーの内容:吸・排気口目詰まり検知
エラーの原因と対処法:吸・排気口をふさいでいたり、ほこりがたまっている時に起こるエラーです。ほこりがたまっている場合は、取扱説明書のお手入れ方法を見ながら、ほこりを除去することでエラー解除できます。
パナソニック製IHクッキングヒーターの故障についてもっと知りたい方は、以下の記事で発生しやすい症状をまとめていますのでご覧ください。
原因解明!パナソニック製IHクッキングヒーターの故障と修理
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三菱電機製IHクッキングヒーターのエラーコードと対処法
エラーコード:E
エラーの内容:本体内部に異常が起きた、または安全装置がはたらいた可能性あり
エラーの原因と対処法:故障の可能性があります。以下の対処方法をお試しください。
- 本体の電源と専用ブレーカーを切り、本体が冷えてから専用ブレーカーと電源を入れ直してください。
- 「E」エラーが消えれば正常ですので、そのままご使用いただけます。
- 「E」エラーが消えない場合、修理が必要ですので、メーカーへお問い合せください。
エラーコード:U
エラーの内容:誤った使い方をしている
エラーの原因と対処法:「U」エラーは故障ではなく、使い方が誤っている場合に表示され、加熱が停止されます。説明書に従ってエラーを解除して頂ければ、そのままお使いいただけます。
三菱電機製IHクッキングヒーターの故障についてもっと知りたい方は、以下の記事で発生しやすい症状をまとめていますのでご覧ください。
原因解明!三菱電機IHクッキングヒーターの故障対応と修理
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日立製IHクッキングヒーターのエラーコードと対処法
エラーコード:C11/C21
エラーの内容:空だき等の異常検知
エラーの原因と対処法:鍋の空だきや鍋が高温または反っていると表示される場合があります。エラー解除には以下の方法をお試しください。
- 鍋に調理物をいれる。
- 火力を下げる。
- 鍋が反っていないか確認する。
エラーコード:C13/C23
エラーの内容:鍋が光センサーの上に置かれていない
エラーの原因と対処法:鍋が光センサーからずれていたり、鍋底に反りや変形がある、または市販の汚れ防止シートを使用していると表示される場合があります。
以下の対象方法をお試しください。
- 鍋を左右IHヒーターの中央に置く。
- 鍋底に反りや変形がある場合は、鍋を交換する。
- 市販の汚れ防止シートの使用をやめる。
日立製IHクッキングヒーターの故障についてもっと知りたい方は、以下の記事で発生しやすい症状をまとめていますのでご覧ください。
原因解明!日立IHクッキングヒーターの故障対応と修理
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東芝製IHクッキングヒーターのエラーコードと対処法
エラーコード:H◯◯(H11、H12など)/タイマー時間表示部に表示
エラーの内容:本体に異常が発生
エラーの原因と対処法:IHクッキングヒーターの電源とブレーカーをOFFにし、再度ONにします。エラーが解消したら正常です。再びエラーが出る場合は、メーカーへお問い合せください。
コロナ製IHクッキングヒーターのエラーコードと対処法
エラーコード:CP
エラーの内容:上面操作パネルの異常検知
エラーの原因と対処法:上面操作パネルに調理物が煮こぼれていたり、鍋などを置いていると異常を検知します。また、キーを長押ししていても起こります。
対処法は、煮こぼれた調理物や水を拭きとる、鍋などをどかす、キーを長押ししてしまった場合は3秒以上キーに触れないことでエラーを解除できます。
TOTO製IHクッキングヒーターのエラーコードと対処法
エラーコード:116
エラーの内容:鍋の空だき検知
エラーの原因と対処法:油量が少ない、または鍋が空だきで鍋底が以上に上がっている時に表示されます。対処法は、湯量・水量を定量範囲内にして調理を行うことでエラーを解除できます。
アイリスオーヤマ製IHクッキングヒーターのエラーコードと対処法
エラーコード:E01
エラーの内容:調理中に加熱が止まる
エラーの原因と対処法:原因は鍋をのせていない、使えない鍋や小物などをのせている、鍋の位置がヒーターの中央からずれている場合に表示されます。使える鍋をヒーターの中央にのせて、もう一度操作し直すことでエラーを解除できます。
IHクッキングヒーターの故障体験談と対処法
東芝製IHクッキングヒーターが故障してしまったKさん
故障内容:「H23」の故障ランプが付いてしまった。
故障原因:業者によると「水がたまっている、吸引口から蒸気を吸い込む為だろう」との事。また、煮こぼれ、吹きこぼしの頻度が多く、それが原因で基盤が損傷してしまった可能性があります。
修理費用:3回目は修理費4万円位
新築に備え付けのビルトインIHクッキングヒーターが故障してしまったKさん
故障内容:IHクッキングヒーターの基盤が何度も壊れてしまう。
1回目:グリルのヒーターが故障
2回目:スイッチが入らない 基盤交換でしたが新品に交換
3回目:スイッチが入らない ファンが故障で音がうるさい の2ケ所
故障原因:一回目のグリル故障は珍しい故障で、2回目3回目は油煙の吸い込みによる基盤故障の可能性が高いです。
IHクッキングヒーターは油調理をしても見た目煙が出ないので、換気扇を忘れて油煙をIHクッキングヒーターが吸い込んで基盤が故障してしまうことが多いです。
修理費用:概算で3万円
10年以上の古いIHクッキングヒーターが故障してしまったら買い換えがオススメ
故障してしまったIHクッキングヒーターが古いタイプのものの場合、買い換えることがオススメです。その理由は、IHクッキングヒーターの寿命は概ね10~15年と言われているためです。
10年以上使い続けているクッキングヒーターは、そろそろ寿命を迎える頃合いで、仮に修理したとしてもすぐにまたどこかが壊れてしまう可能性が高いのです。もちろん、保証期間も過ぎている場合がほとんどですし、頻繁に起こる修理のたびに修理費用を払い続けるよりは、新しいIHクッキングヒーターに買い換えてしまったほうがお得です。また、製品・故障箇所によっては10年前の部品が残っていない場合もあり修理対応がそもそも出来ない事もあります。
IHクッキングヒーターも年々より良い製品に改良が重ねられ、各メーカー多彩な機能を備えていますので、料理のバリエーションや手間、お掃除のしやすさなどを考えても損する事は無いはずです。
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